ITパスポート

【疑問を残さない】ITパスポート試験 令和2年度 公開問題 問1~5 オリジナル解説

ITパスポート試験 令和2年度公開問題 問1~5
管理人

管理人のトイトブルクです。
本記事に興味を持っていただき、ありがとうございます。

ITパスポート試験の勉強をしていて、こんなことはありませんか?

受験者A

問題を解いたら、知らなかった用語をとりあえず暗記しなきゃ・・・

受験者B

一応用語の意味を覚えたり、計算問題を計算したりできるようになったけど、理解はしていないなあ・・・

用語や計算の深い意味がわからなくても、ITパスポート試験に合格することは一応可能です。

ただ、そんな方にうかがいたいのですが、

管理人

そういう勉強、やっていて楽しいですか?

ITパスポート試験はメジャーな試験なので、書店に行けばさまざまな対策本に出会えます。

もちろん優れた書籍が多いのですが、紙面の都合か、あまり踏み込んだ説明をしていない印象も。

書籍の解説

この項目の細かい理屈はいいから、暗記して乗り切ってね。

という説明も垣間見えます。

さいわい管理人には

大学・大学院で情報工学を専攻(修士号持ち)

基本情報技術者・初級システムアドミニストレータ試験に合格

ブログという、紙面の制約を受けない媒体で解説可能

というメリットがあります。

そこで本ブログではITパスポート試験について、

管理人

きちんと納得できるレベルで解説する

ことにしました。

この解説を読んでいただければ、

受験者

ああ、そういう理由だったのか!

納得していただけるでしょう。

本記事では令和2年度公開問題の問1~5を解説します。

(本番の試験はCBTというコンピューターを利用した試験で、問題は非公開です)

では、早速解説に移りましょう。

問1

問題文

情報システムの調達の際に作成される文書に関して、次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。

調達する情報システムの概要や提案依頼事項、調達条件などを明示して提案書の提出を依頼する文書はaである。また、システム化の目的や業務概要などを示すことによって、関連する情報の提供を依頼する文書はbである。

選択肢

  a b
RFI RFP
RFI SLA
RFP RFI
RFP SLA

解説

IT業界には略語が多く存在します。

みなさんは、そうした略語を丸暗記していませんか?

この問題の選択肢には、"RFI", "RFP", "SLA"という3文字の略語が登場します。

"RFI"は「情報提供依頼書」のことですが、単に"RFI=情報提供依頼書"と暗記するのには

覚えにくい
忘れやすい
似た略語と区別しにくい

といった欠点があります。

こうした略語は一見面倒でも

RFI = Request For Information

のように、フルスペルで意味を把握して覚えましょう

意味を伴った暗記のほうが

覚えやすい
忘れにくい
似た略語と区別しやすい

といった長所があります。

本問の略語"RFI", "RFP", "SLA"をフルスペルで書くと次の通り。

RFI = Request For Information(情報の依頼)→「情報提供依頼書

RFP = Request For Proposal(提案の依頼)→「提案依頼書

SLA = Service Level Agreement(サービス水準の合意)→「サービスレベル合意書

RFI, RFPは「調達計画」に関する用語です。

調達計画

ユーザが情報システムの依頼先ベンダを選ぶ流れは以下の通りです(試験範囲外の細かいステップは省略)。

  1. ユーザがRFI(情報提供依頼書)をベンダに渡す。
  2. ベンダが情報提供書をユーザに渡す。
  3. ユーザがRFP(提案依頼書)をベンダに渡す。
  4. ベンダが提案書をユーザに渡す。
  5. ユーザが見積依頼書をベンダに渡す。
  6. ベンダが見積書をユーザに渡す。
  7. 合意できたら最終的に契約を結ぶ。

略語の意味が確認できたところで問題文を確認します。

情報システムの調達の際に作成される文書に関して、次の記述中のa, bに入れる字句の適切な組合せはどれか。

調達する情報システムの概要や提案依頼事項、調達条件などを明示して提案書の提出を依頼する文書aである。また、システム化の目的や業務概要などを示すことによって、関連する情報の提供を依頼する文書bである。

aに入るのは提案書の提出を依頼する文書です。

提案書」を「依頼」する「文書」は「提案依頼書」なので、RFPが該当します。

次に、bに入るのは情報の提供を依頼する文書です。

情報提供」を「依頼」する「文書」は「情報提供依頼書」なので、RFIが妥当です。

以上より、選択肢ウが正解になります。

SLA(サービスレベル合意書)はストラテジ系(本問)の用語ではなく、マネジメント系の用語です。

ITパスポート試験の問題では、別系統の略語を交ぜて出題することがあります。

略語のフルスペルを覚えておけば、別系統の略語に惑わされることは激減するはずです。

問2

問題文

企業が社会の信頼に応えていくために、法令を遵守することはもちろん、社会的規範などの基本的なルールに従って活動する、いわゆるコンプライアンスが求められている。a~dのうち、コンプライアンスとして考慮しなければならないものだけを全て挙げたものはどれか。

a 交通ルールの遵守
b 公務員接待の禁止
c 自社の就業規則の遵守
d 他者の知的財産権の尊重

選択肢

a, b, c
a, b, c, d
a, c, d
b, c, d

解説

コンプライアンスに関する問題です。

幸い、問題中にコンプライアンスの説明が書かれています。

法令を遵守する

社会的規範などの基本的なルールに従って活動する

a~dの項目がポイントの何番に当てはまるか確認しましょう。

a 交通ルールの遵守→法令を遵守する(道路交通法)

b 公務員接待の禁止→法令を遵守する(国家公務員倫理規程など)

c 自社の就業規則の遵守→社会的規範などの基本的なルールに従って活動する

d 他者の知的財産権の尊重→法令を遵守する(著作権法など)

以上より、a~dすべてを考慮しなければならないので、正解は選択肢イです。

問3

問題文

技術経営における新事業創出のプロセスを、研究、開発、事業化、産業化の四つに分類したとき、事業化から産業化を達成し、企業の業績に貢献するためには、新事業の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として、最も適切なものはどれか。

選択肢

囚人のジレンマ
ダーウィンの海
ファイアウォール
ファイブフォース

解説

選択肢に専門用語が並んでいますが、覚えておくべきなのはイとウのみです。

問題を解くとき、明らかに知らない用語は正解の候補から外す

というのは、アとエはITパスポート試験の用語ではないから。

ITパスポートの試験範囲が記載されている「シラバス5.0」に「囚人のジレンマ」と「ファイブフォース」は載っていません。

参考までに用語の意味を書いておきます。

囚人のジレンマ:個人が自分の利益を追求すると、かえって全体の利益を損ねること。

ファイブフォース:業界全体の収益性は「売り手」「買い手」「競争企業」「新規参入業者」「代替品」の5つの要素できまること。

ダーウィンの海

選択肢イ「ダーウィンの海」は技術開発戦略に登場する用語です。

技術開発戦略の4つのプロセスと、間の3つの障壁は以下の通り。

技術開発戦略
  1. 商品を研究する。
  2. 研究した商品が実用化できる(魔の川を越える)と、開発段階に進む。
  3. 開発した商品の採算性が取れる(死の谷を越える)と、製品化段階に進む。
  4. 製品化した商品が競争に勝ち残る(ダーウィンの海で生き残る)と、産業化できる。

ファイアウォール

選択肢ウ「ファイアウォール」はテクノロジ系分野の用語です。

ファイアウォール

ファイアウォールは防火壁の意味で、外部ネットワークからの危険な通信を感知、遮断します。

解答

問題文中に「事業化から産業化を達成し」とあります。

事業化=製品化と考えれば、選択肢イ「ダーウィンの海」が正解と判断できます。

問4

問題文

コンビニエンスストアを全国にチェーン展開するA社では、過去10年間にわたる各店舗の詳細な販売データが本部に蓄積されている。これらの販売データと、過去10年間の気象データ、及び各店舗近隣のイベント情報との関係を分析して、気象条件、イベント情報と商品の販売量との関連性を把握し、1週間先までの天気予報とイベント情報から店舗ごとの販売予想をより高い精度で行うシステムを構築したい。このとき活用する技術として、最も適切なものはどれか。

選択肢

IoTを用いたセンサなどからの自動データ収集技術
仮想空間で現実のような体験を感じることができる仮想現実技術
ディープラーニングなどのAI技術
表計算ソフトを用いて統計分析などを行う技術

解説

問題文が長いのですが、注目すべきは以下の箇所です。

……販売予想をより高い精度で行う技術……

本問のケースで活用する技術は、「予想」「予測」技術です。

このことを踏まえて選択肢を見ていきましょう。

ア:「データ収集技術」なので「予測技術」ではありません。

イ:「仮想現実技術」なので「予測技術」ではありません。

ウ:「AI技術」は「予測技術」です。妥当といえます。

エ:「統計分析技術」は「予測技術」ではありません。

以上より、選択肢ウが正解です。

問5

問題文

製造業における標準化の事例として、最も適切なものはどれか。

選択肢

作業負荷の均衡を図り、かつ、前工程から引き取る部品の種類と量を平準化した。
生産活動を合理化するために、製造に必要な部品や手順を統一した。
生産管理プログラムの実行速度を向上させるために、最適なアルゴリズムを選択した。
製品の種類の削減や作業内容の見直しを通じて、生産計画、生産工程、作業方法を簡素化した。

 

解説

「標準化」の意味を理解しているかを問う問題です。

標準化とは、どのメーカーが製造しても同一の質を保証するために行う。

「どのメーカーの電球を買ってきても、今まで使っていた電球と交換できる」といった文脈で使います。

ア:「種類と量を平準化」しても「同一の質の保証」にはつながりません。

イ:「部品や手順を統一」すると「同一の質が保証」されます。妥当です。

ウ:「速度向上」は「同一の質」にはつながりません。

エ:「簡素化」は「同一の質」には無関係です。

以上より、正解は選択肢イです。

まとめ

問題を解くポイント

アルファベット略語はフルスペルで意味を把握して覚える

ITパスポート試験の用語でない言葉は選択肢から外す

文章が長い場合、キーワードに注目する

管理人

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が少しでもみなさまのお役に立てればうれしく思います。